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HOME > 技術情報 > IO-Linkまるわかりガイド-IO-Linkの基礎知識

IO-Linkとは

IO-Linkは、センサやアクチュエータをデジタル信号で上位のネットワークに接続する産業用インタフェース規格(IEC 61131-9)です。これまでは一つひとつ手作業で管理していたセンサやアクチュエータの情報を、上位の管理者に提供することで、生産現場の最下層から工場のIoT化を実現できる通信技術です。
IO-Link対応のセンサやアクチュエータはIO-Linkデバイスと呼ばれ、IO-Linkマスタを通してEthernet/IP、EtherCAT、PROFINET、Modbus TCP、CC-Link IE Field Basic、汎用Ethernetなど上位の各種産業用ネットワークへと繋がります。
IO-Linkのシステム単独でネットワークを組むことはできず、あくまでも上位のネットワークにセンサやアクチュエータを繋ぐための媒体です。

IO-Linkの特長

■データの取得

近年、アナログ機器のデータをデジタル化して数多く取り込みたいというニーズが増えてきました。
そこで、従来のアナログ機器をIO-Linkデバイスに置き換えることで、A/D変換機など入力装置の削減・機器の低コスト化が期待できます。
従来、ON/OFF信号やアナログ信号、シリアル通信など、センサレベルでは別々の配線で行っていたことを、IO-Linkという規格で標準化でき、効率的な運用が可能になります。
またノイズの発生やA/D変換・D/A変換時に発生する誤差問題、スケーリングが不要になるなど、アナログ入出力使用上での課題も解決できます。

■設備メンテナンスの容易性

IO-Linkデバイスの設定値や型式情報をIO-Linkマスタが保持しているため、交換時の型式違いなどのトラブルを防ぐことが可能です。
また設定値を再現できることで、交換時の再調整などの必要が無くなります。
IO-Linkマスタは、各IO-Linkデバイスのプロファイルはもちろん、各種パラメータ調整後の設定値も記憶可能です。
センサやアクチュエータなどのIO-Linkデバイスを交換する時に、あらかじめマスタに登録されたIO-Linkデバイスの型式情報と照合するため、型式違いのデバイスを取付けてしまうトラブルを検出して事前に防ぐことができます。

IO-Linkの構成機器と役割

IO-Linkシステムは、主にIO-LinkマスタとIO-Linkデバイス(センサやアクチュエータなど)、ケーブルやエンジニアリングツールで構成されます。
IO-Linkマスタは、デバイスが持つ情報を受け取るターミナルユニットの総称です。
複数のポートを持つIO-Linkマスタは、1つのポートに対して1つのデバイスが接続可能であり、一対一の双方向シリアル通信を行います。データ量や応答時間など、隣のデバイスの影響を受けないような仕様になっています。
IO-LinkデバイスはIO-Link規格に基づいて設計・製造されたセンサ・アクチュエータ機器の総称です。
各種FAセンサやスイッチ、RFID、アクチュエータなど、その種類は多岐にわたります。
すべてのデバイスには、デバイス情報を記述したIODDファイルが用意されており、当ファイルを読み込むことでメーカーに依存せずにデバイスの設定が可能になります。

IO-Linkでできること

工場単位で考えると、生産ラインや装置には数千台のセンサが稼働しており、IO-Linkによって従来は一元管理できなかった多数のセンサの情報も、上位側で監視・設定できるようになりました。
IO-Link通信で扱えるデータは、センサであれば、左図となります。
ロット替え・品種切替えの際にはセンサの一括設定やI/OチェックをPLC側から行え、センサの交換時にはIO-Linkマスタから設定情報のダウンロードが可能となり、設備の立上げ/保守時間の短縮につながります。
また近年、設備の不具合の予兆を検出する「予兆保全」「予知保全」へのニーズが増えてきていますが、IO-Link機器にはこうした機能をあらかじめ実装しているものが多く、簡単に「予兆保全」「予知保全」のシステムを作ることが可能となります。

IO-Linkの基本用語

IO-Linkデバイス IO-Link対応のセンサやアクチュエータなどのデバイス機器を指します。
PLCユニット型や、センサやアクチュエータの近くに設置できるリモートネットワーク型が存在します。
IO-Linkマスタ IO-Linkデバイスの信号を受け取るターミナル・ユニットを指します。
PLCユニット型や、センサやアクチュエータの近くに設置できるリモートネットワーク型が存在する。
IODDファイル IODD (IO Device Description) ファイルはIO-Linkデバイスのメーカー、製品番号、機能など機器の説明とパラメータ情報が記載されているファイルです。
IO-Linkデバイスを提供しているベンダにより作成されており、その多くは各ベンダのウエブサイト上にて無料公開されています。IODDファイルをIO-Linkマスタから読み込むことでIO-Linkデバイスの設定が可能になります。
IO-Linkモード IO-Linkデータのデジタル通信を行うモードです。(双方向のデータのやり取りが可能)
IO-Linkモードではプロセスデータなどを通信します。
SIOモード(Standard IO) 従来の入出力(NPN,PNP)を行うモードです。
IO-Link非対応のデバイスと接続する場合に使用します。
(一方方向のデジタル入出力信号)
プロセスデータ 周期的にデータフレームを伝送します。
プロセスデータのデータ容量はデバイスによって決められており、0~32バイトが利用可能となります。
例) 変位センサは距離データ, 温度センサは温度データ, 流量計は流量データ など
ステータス プロセスデータの有効/無効を周期的に伝送します。
デバイスデータ パラメータ、識別データ(型式、シリアル番号など)、診断などの情報です。これらの情報はIO‐Linkマスタの要求により非周期で通信可能です。
デバイスデータはデバイスに書き込むことができるとともに、読み出すこともできます。
イベント IO-Linkデバイスにて短絡、加熱、汚れなどのエラーが発生した場合やその予兆がある場合、プロセスデータ送信の邪魔をせずマスタに知らせることができます。(イベント内容はIO-LINK デバイスにより異なります)
IO-Linkマスタとデバイス間のケーブル断線に関してはマスタからのリトライ後、デバイスからの応答が無ければ断線エラーとして知らせることができます。
IO-Link接続距離 IO-LinkマスタとIO-Linkデバイス間の距離は最大20mです。
IO-Link物理ポート M5,M8,M12の丸形コネクタやクランプ式、端子台式などがあります。
エンジニアリングツール 各種PLCメーカーがPLC設定用に制作したツール。
PLCに接続するIO-Linkマスタ、デバイスの設定に使用できます。
※一部設定ができない項目もあります。