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4ケタコード

【6】ワーク表面の状態による誤差

変位センサで高精度測定を⾏う場合、⼗分な強度及び⼗分に除振された環境を作る必要があるが、それでもμm オーダーもしくはそれ以上の領域では、空気の温度変化による屈折率変化の影響を考慮する必要がある。図8 は変位センサとワークの間の空気層の温度が1℃変化した時の影響を計算したものである。
このモデルでは、1℃変化しただけで測定値が約0.1μm 変化する事を⽰している。このレベルの測定値のふらつきまで抑える必要がある場合、エアコンの吹き出し口からの空気が変位センサに直接当たらないように囲いを設けるなどの配慮が必要となる。
図9 は、通常のオフィス環境に変位センサを設置したもの、図10 はそれに空気の揺らぎを遮断する為の囲いを付けた物の比較データである。
(どちらも移動平均回数256 回、ワークを1μmステップで遠⽅に移動させたものである。)

空気の屈折率の影響 図8  空気の屈折率の影響 囲いなし 図9  囲いなし 囲いあり 図10  囲いあり

【7】⻑時間の温度変化による誤差

変位センサをオンラインの検査装置に組み込む場合、1日10時間以上の稼働が考えられる。室温が完全に制御されている場合を除き、変位センサの周囲温度は少なくとも数℃の変化はあると考えられる。一般的な変位センサの場合、1℃あたり測定レンジの±0.01%の温度ドリフトがある。測定レンジ10mm のモデルの場合、±1μm/℃となる計算である。

材質とする場合がほとんどであり、さらにアルミは1℃1mあたり23μmの伸縮がある事が分かっており、つまり温度変化により変位センサ内のレーザやレンズ、受光素子の位置関係が僅かながら変化する事で、測定値に影響を与えているのである。この誤差を原理的に対策することは現時点では困難である。

この誤差対策するには、多くの変位センサが持っているゼロリセット機能を使い、定期的に基準ワークなどで校正を⾏う、もしくは全てのワークの測定位置とベース⾯の両⽅を測定し、その差をとる事で事実上、温度特性をキャンセルする、などの使いこなし⾯での対応が必要となる。

【8】最後に

このように、変位センサの測定誤差には、ユーザー側の使いこなしで改善できるもの、メーカーの新機能、新技術で改善するものがあるが、変位センサの筐体や取付⾦具の温度による伸縮のように、現時点では改善が困難なものも存在する。我々は、温度変化の影響を受けにくい素材、構造などをこれからも研究し、ユーザーに更なる高精度測定を⾏って頂ける製品開発を目指していく所存である。

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