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HOME > 技術情報 > 照明の基本 No.1

【1】はじめに

FA(ファクトリーオートメーション)を中心とした分野において、品質管理、生産の高速化・高精度化・高効率化のためにマシンビジョンシステムが活躍している。そのシステムを構成するハードウエアやソフトウエアの技術進化によって、ますますマシンビジョンの活躍の場が広がっている。アジア圏の特に中国では自動化・省人化へシフトが加速しており、今後大きな市場拡大が予想される。

このマシンビジョンシステムとは、照明、レンズ、カメラ、画像処理装置が組み合わさったシステムであり、そもそも光源からの光なくして画像処理は始まらない。しかしただ照明で明るくすればうまくいくというものでもなく、照明の最適化がマシンビジョンシステムの成否を左右すると言っても過言ではない。

本稿では、マシンビジョンにおける照明の役割とライティング技術について紹介する。

【2】マシンビジョンにおける照明の重要性

マシンビジョンシステムが照明、レンズ、カメラ、画像処理装置からなるシステムであることを先に述べたが、ここでそれぞれの役割について考えてみたい。照明から対象である物体に照射された光は、物体によって反射、散乱、屈折、吸収等、なんらかの作用を受ける。その光の一部をレンズが捉え結像し、カメラのCCDやCMOSの受光センサがその結像された光の明暗を電気信号に変換することで画像が得られる。この画像を画像処理装置で解析、比較、演算を行い、何らかの判定を下す。このように画像処理するための元となる画像データは、照明とレンズによって光の明暗が決定づけられる。この光の明暗で認識したい内容を特徴付けられていなければ、いくら高度な画像処理を行なっても見えないものは見えない。ここでの画像品質が、マシンビジョンシステム全体の性能を左右するのである。

ではどうやって特徴量を最大化するのかというと、その多くが照明の役割となる。人間が目視で対象物を観察する場合も、屋外ならば太陽光、室内では室内灯等、何らかの光で照らされたものを見る。光源がなければ当然真っ暗でなにも見えない。例えば、ここに透明なガラスのコップの表面に小さな傷がある。この傷を目視で見つけようとする時、どうするだろうか?コップを回したり傾けたりしながら傷で光が反射するところを探す。もしくはコップはそのままに、首を傾けて同じように反射具合を観察する。もしくは天井の照明がコップ表面に映り込むようにコップを光にかざし、写り込んだ光の中に光が逃げて暗い場所はないかと傷を探す。人間の目、対象物、照明の3者の位置関係を最適化することで、傷を探すことになる。それではこれをマシンビジョンに置き換えるとどうなるか、コップが対象物、人間の目がカメラ、天井の照明が光源となる。通常はカメラと対象物の検査エリアとの相対位置は固定である事が多いため、どんな照明でどの方向からどこに向かってどれくらいの強さで光を照射するか等、様々な条件を最適化しながら、特徴を最大化することを目指すことになる。これがマシンビジョンにおける照明の役割となる。

【3】マシンビジョン用光源の種類


図1  左上からリング蛍光灯、ライトガイド、ハロゲンボックス、LED照明

マシンビジョン用の光源としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、蛍光灯、そしてLEDが多く使われている。

蛍光灯はリング状や直管のライン状のものがよく使われる。もしくは直管を複数ならべて、拡散板で面発光させたバックライト等で使われている。ハロゲンランプやメタルハライドランプは光源ボックスから、ライトガイドというファイバーを束ねたもので光を伝搬させ、その端面から光を照射して使われる。ライトガイドの先端は、ファイバー素線をリングやライン状に並べたものがいくつか用意されている。

LEDを除き、いずれも比較的寿命が短い。蛍光灯で1万時間弱のものもあるが、ハロゲン、メタハラは5千時間未満でランプ切れとなる。しかも応答性が悪いため、連続点灯されることが多く、結果的に使用可能時間が短くなっている。またハロゲン、メタハラは消費電力が100~250Wと大きくなり、省エネにという点でも劣る。いずれも発光色は白色となる。

【4】LED照明の優位性


図2  各種光源の発光効率の推移

まず一般照明において、ここ数年、白色LED照明のシェア拡大の勢いは凄まじい。昨今の電力事情から省エネが求められており、LED電球では2011年に電球型蛍光管と白熱電球の販売数を上回った。蛍光灯の4倍程のLED照明の寿命を考えると,照明コストと低消費電力の低いランニングコストを合わせた総合コストでも代替照明となる。

LED照明の普及を後押しするのが白色LEDの技術進歩である。白色LEDパッケージの発光効率はすでに170lm/Wに達するものもあり、100lm/W程度の蛍光灯を十分上回る効率となっている。

さらに理論的効率限界といわれている260lm/Wに向けて研究が重ねられており、2020年代には到達するという予測もある。

以下に代表的なLEDの外観を示す。インジケーターランプなどに使われている砲弾タイプのリード付きLEDを使うことが多かったが、この数年ではマウンタ実装できるSMDタイプが主流となっている。


図3  各種光源の発光効率の推移

マシンビジョンにおいては、古くはハロゲンランプや蛍光灯が主役であったが、LEDの高輝度化によりその領域を拡大し続け、今や最も多く利用されている。光源となっているこれは近年の凄まじい高輝度化に加え、LED特有の以下の利点によるものである。


図4  代表的なLED照明のスペクトル分布

LEDは小さな点光源であるため、組み合わせによる形状の自由度がある。集光して高効率に照射することも、拡散させて面形状で発光させることも可能である。短い波長の紫外線から、可視光の青、緑、赤、白、さらには赤外線と波長を選択することができる。半導体であることからスイッチングに強く高速な応答性により、必要な時だけ点灯する点灯制御が可能で、省エネと寿命の点で有利である。さらに瞬間的に高い電流を流すことで明るさを稼ぐストロボ発光でも使うことができる。高効率で消費電力が低く、輝度半減値までが数万時間と長寿命である。これら多くの利点がマシンビジョンにおいて幅広く支持された結果、LEDが画像処理用照明の主役となっている。