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HOME > 技術情報 > オートメーション新聞2020年12月9日号 寄稿原稿 業界初16チャンネル・NPN対応のIO-Linkマスタ開発について

センサレベルでのデータ活用を通じて、生産現場のIoT化を実現するIO-Link通信。ここでは、あらためてIO-Link通信の概要とメリット、機器の役割を紹介しながら、FAセンサメーカーの立場で現状の課題を解決すべく開発したIO-LinkマスタURシリーズを紹介したい。

URシリーズ(型式:UR-MS16DT)

IO-Linkとは

IO-Linkは、センサやアクチュエータをデジタル信号で上位のネットワークに接続する産業用インタフェース規格(IEC 61131-9)である。これまでは一つひとつ手作業で管理していたセンサやアクチュエータの情報を、上位の管理者に提供することで、生産現場の最下層から工場のIoT化を実現できる通信技術である。IO-Link対応のセンサやアクチュエータは、IO-Linkマスタを通してEthernet/IP、EtherCAT、PROFINET、Modbus TCP、CC-Link IE Field Basic、汎用Ethernetなど上位の各種産業用ネットワークへと繋がる。IO-Linkのシステム単独でネットワークを組むことはできず、あくまでも上位のネットワークにセンサやアクチュエータを繋ぐための媒体である。

IO-Linkの構成機器と役割

IO-Linkシステムは、主にIO-LinkマスタとIO-Linkデバイス(センサやアクチュエータなど)、ケーブルやエンジニアリングツールで構成される。

IO-Linkマスタは、デバイスが持つ情報を受け取るターミナルユニットの総称である。複数のポートを持つIO-Linkマスタは、1つのポートに対して1つのデバイスが接続可能であり、一対一の双方向シリアル通信を行う。データ量や応答速度など、隣ののデバイスの影響を受けないような仕様になっている。

IO-LinkデバイスはIO-Link規格に基づいて設計・製造されたセンサ・アクチュエータ機器の総称である。各種FAセンサやスイッチ、RFID、アクチュエータなど、その種類は多岐にわたる。すべてのデバイスには、デバイス情報を記述したIODDファイルが用意されており、当ファイルを読み込むことでメーカーに依存せずにデバイスの設定が可能になる。

ケーブルは、従来使用していた標準のセンサケーブルを使用できる。接続通信線も含めて3本線の非シールドケーブルを使用でき、専用ケーブルは不要である。

IO-Linkでできること

IO-Linkの機器構成例

工場単位で考えると、生産ラインや装置には数千台のセンサが稼働しており、IO-Linkによって従来は一元管理できなかった多数のセンサの情報も、上位側で監視・設定できるようになった。IO-Link通信で扱えるデータは、センサであれば、下図となる。ロット替え・品種切替えの際にはセンサの一括設定やI/OチェックをPLC側から行え、センサの交換時にはIO-Linkマスタから設定情報のダウンロードが可能となり、設備の立上げ/保守時間の短縮につながる。また近年、設備の不具合の予兆を検出する「予兆保全」「予知保全」へのニーズが増えてきているが、IO-Link機器にはこうした機能をあらかじめ実装しているものが多く、簡単に「予兆保全」「予知保全」のシステムを作ることが可能となる。

IO-Linkシステムの有用性

■データの取得

近年、アナログ機器のデータをデジタル化して数多く取り込みたいというニーズが増えてきた。そこで、従来のアナログ機器をIO-Linkデバイスに置き換えることで、A/D変換機など入力装置の削減・機器の低コスト化が期待できる。従来、ON/OFF信号やアナログ信号、シリアル通信など、センサレベルでは別々の配線で行っていたことを、IO-Linkという規格で標準化でき、効率的な運用が可能になる。またノイズの発 生やA/D変換・D/A変換時に発生する誤差問題、スケーリングが不要になるなど、アナログ入出力使用上での課題も解決できる。

■設備メンテナンスの容易性

IO-Linkデバイスの設定値や型式情報をIO-Linkマスタが保持しているため、交換時の型式違いなどのトラブルを防ぐことが可能。また設定値を再現できることで、交換時の再調整などの必要が無くなる。IO-Linkマスタは、各IO-Linkデバイスのプロファイルはもちろん、各種パラメータ調整後の設定値も記憶可能である。IO-Linkデバイスを交換する時に、予めマスタに登録されたIO-Linkデバイスの型式情報と照合するため、型式違いのデバイスを取付けてしまうトラブルを検出して事前に防ぐことができる。

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