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HACCPで要求される
食品の温度管理と対策方法
2020年から制度化されているHACCPについてわかりやすくまとめてみました。
当ページでは、HACCPで要求される食品の温度管理と対策方法について説明します。
HACCP(ハサップ)とは?

HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Point のそれぞれの頭文字をとった略称で「危害要因分析重要管理点」と訳されています。※1
要約すると「原料の入荷から製造、出荷まですべての工程の危害要因を分析して対策し、管理基準を定めてその基準を元に測定した値を記録する」となります。
※1 引用:厚生労働省「HACCP入門のための手引書」P.8

Point
HACCPの対象となる業者

フードチェーンを構成する食品の製造・加工、調理、販売などの食品を扱うすべての業者です。


食品の温度管理はHACCP義務化でどう変わる?

重要管理点(CCP)と呼ばれる、危害要因を除去するのに管理が不可欠なポイントを決める必要があります。
食品の温度管理では病原微生物の生残を防ぐために加熱・冷却工程が重要管理点になるケースが多く、その場合は加熱温度などを管理基準として設定します。
そして、その管理基準を満たしているか、温度を測定し記録します。

こんなことをしなければいけません
例:重要管理点が加熱・冷却工程の場合
加熱工程
  内容
工程 煮物の加熱
危害要因 病原微生物の生残
発生原因 加熱不足
管理手段 適切な温度・時間で加熱する
管理基準 表面温度90℃以上を10分間キープする
検査方法 非接触温度計で表面温度をモニタリング
冷却工程
  内容
工程 煮物の冷却
危害要因 病原微生物の増殖
発生原因 冷却不足
管理手段 急速に冷却する
管理基準 真空冷却機に入れ 60分以内に表面温度を5℃以下にする
検査方法 非接触温度計で表面温度をモニタリング
測定値の記録方法

測定値の記録方法は、接触式温度計を使って紙に転記する方法からPLCを使った制御システムまで多岐に渡ります。今回はより簡単に導入できる方法を紹介します。

冷却工程での記録例
1.サーモグラフィを使ってキャプチャ画像を保存

センサが冷凍食品を検出したタイミングでサーモグラフィが冷凍食品の熱画像(温度・日付情報)をPCへキャプチャ保存します。異常時にはアラームを鳴らしたりすることも可能です。

使用製品:Xi80シリーズ
2.非接触温度計とデータロガーを使って測定値の記録

非接触温度計とデータロガーを組み合わせることで冷却に必要な時間、温度をロギングすることが可能です。

使用製品:CSシリーズ

定期的な見直し(検証)

前項で作成された管理基準が有効に機能しているか、管理基準に従って実施されているかどうか、管理基準の修正などの見直しが必要かどうかを検討します。

計測機器類の校正(精度確認)を実施しているか

温度計はHACCPを行う上で必要不可欠な計測機器です。これが狂うと安全な食品を製造することはできません。そのため定期的に校正をする必要があります。
※ISO9001認証工場では計測機器の校正が義務づけられています。


アプリケーション事例
鏡面ローラーの温度管理(春巻の皮製造用)

非接触温度計GTL-3Mで鏡面ローラーの温度を管理します。
表面に光沢がある鏡面ワークは非接触温度計では正確な温度測定ができませんが、2.3μmの波長で測定する金属光沢面専用タイプのGTL-3Mであれば正確な温度測定が可能。ワークだけでなくローラーの温度も測定することにより、正確な温度制御が可能になり歩留まりの向上を実現しました。

ハンバーグ焼き器の鉄板温度管理

ハンバーグ焼き器の鉄板の温度を非接触温度計CSで制御します。
温度が低すぎると生焼けになってしまい高すぎると焦げてしまいますが、CSで最適な温度に制御すれば最適な状態に焼き上げることが可能。品質の安定化に大きく貢献することができます。

温度管理におすすめのサーモグラフィ・非接触温度計

当社はサーモグラフィ・非接触温度計を多数取り揃えているため、用途に合わせて最適な温度計を選定いただけます。

製造工程には設置タイプがおすすめ
非接触エリア温度計
Xi80シリーズ
測定温度範囲:-20~+100℃/0~+250℃/+150~+900℃ 切換え式
1台で複数エリアを測定できる非接触温度計です。
装置組込型非接触温度計
CSシリーズ
測定温度範囲:-40~+500℃/0~+1000℃
世界最小クラスのセンサヘッドのため、装置内の組み込みに最適です。
温度計ラインナップはこちら
HACCPで要求される食品の温度管理と対策方法

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